映画『真相をお話しします』を観終わったあと、正直なところ「面白かった」とも「つまらなかった」とも、すぐには言えませんでした。
何か大きな感動があったわけでも、強烈なメッセージを受け取った感じでもありません。ただ、観終わったあとに、少しだけ気持ちが落ち着かず、しばらく何も考えたくなくなりました。
この映画は、タイトルのわりに親切ではありません。説明は最小限で、答え合わせもほとんどない。それなのに、なぜか頭の片隅に残り続けます。
たぶん僕は、物語そのものよりも、「観ている自分の反応」をずっと見せられていた気がします。
観終わってすぐに、言葉が出てこなかった
観ている最中から、ずっと違和感のようなものがありました。それは怖さでも不快感でもなく、「簡単に理解してはいけない」という感覚に近いものです。
登場人物の行動を見て、どこかで判断しそうになる自分がいて、そのたびに立ち止まらされる。映画が何かを断定するわけではないからこそ、観ている側の姿勢がそのまま映し出されているようでした。
観終わった直後、内容を整理しようとしても、うまく言葉にできませんでした。印象的なシーンよりも、感情のざらつきのほうが先に残っていたからだと思います。
この映画を観て、考え続けてしまったこと
時間が経っても、映画のことを完全には手放せませんでした。「もし自分だったらどうしていただろう」という問いが、はっきりした形にならないまま、頭のどこかに残り続けます。
この映画が語っている“真相”は、きっとひとつではありません。むしろ、何かを知ったあとに、自分がどう感じたかのほうが大事なのだと思います。
誰かの行動を見て、それを簡単に理解したつもりになったり、「自分ならこうする」と言い切ってしまったりすること。その危うさを、静かに突きつけられているようでした。
派手な展開があるわけでもなく、観終わったあとに語り合いたくなる映画でもありません。それでも、考える時間だけは不思議と残ります。
答えを急がない人に残る映画
『真相をお話しします』は、観終わった瞬間に何かを語りたくなる映画ではありません。はっきりした答えや、わかりやすい感動を求めて観ると、物足りなさを感じる人もいると思います。
ただ、観たあとに少し立ち止まってしまう人には、静かに残り続ける作品です。僕自身、この映画について誰かと熱く語りたいわけではありません。それでも、ふとした瞬間に思い出して、「あのとき、どう感じたんだろう」と考えてしまいます。
きっとこの映画は、“真相”を知りたい人のためというより、自分の反応を見つめ直したい人のための映画なのだと思います。
